どんな恋でも繋いでみせます!
「これ以上見つめ合ってたら抱き締めたくなるから、そろそろ帰ろう」
そう言って千崎くんが立ち上がる。
すぐに顔が火照るのを感じながら、大人しく黙って私も立ち上がる。
「ん」
ちょっと恥ずかしげに差し出される手のひら。
私よりもずっと大きくて骨ばった手を握り返すと、そっちじゃない、というように握り直される。
恋人繋ぎだ、と手を見つめながら思う。
指と指の間に収まる千崎くんの指に、ドキドキと心臓が跳ねている。楽しそうだ。
「今度、遊園地のリベンジしよう」
「リベンジ、いいね」
「2人っきりで」
「……いいね」
理由がないと約束できなかった、私たちのあやふやな関係。
でも、もう理由は要らない。
いつだって、なんだって約束できるんだ。