どんな恋でも繋いでみせます!
千崎くんに家まで送ってもらったあと、まだ千崎くんの温もりと感触が残っている手のひらを眺めながら、自分の部屋で顔がだらしなく溶ける。
部屋にカバンを置き、制服を脱ごうとした時、ふと思い出す。
引き出しの1番奥にしまったはずの、あのノートの存在を。
私は引き出しに手をかけ、そのノートを手にした。
【恋のキューピット専用ノート】
暫く開いていなかったノート。
なぜか今開かなければいかないと思って、手を伸ばして開いた。
「……え」
最後のページを見て、思わず声が洩れる。
遊園地のあと、私が強い筆圧で殴るように書いた一文。
【千崎くんが好き、は捨てる。】
確かに、その文を書いて私はノートを閉じた。
なのに、【捨てる】の文字の上からバッテンが引かれ、その下に【捨てさせない】と書かれていた。
見覚えのある字だった。