どんな恋でも繋いでみせます！

「ちょっと、笑い事じゃないんだよ。本当なんだからね」

「わかってる、填本が大真面目に言ってるのはわかってるけど、宇宙人から脱出とか言葉選び面白すぎるだろ、あはははっ」

「千崎くんっ」

「ごめんごめん、話中断させました。続けて下さい、恋のキューピットさん」



まだ口角を上げ、必死に笑いを抑えている千崎くんにムッとしながら、私は一咳して空気を整える。

ゴホン。



「まずは私が千崎くんのことをさり気なく徐々に紗良にアピールしていく。そして、紗良が千崎くんと私も話してみたいかもって思ってからが、千崎くんの本格始動だから」

「おぉ、なんかやっぱ手慣れてるな」

「感心してる場合じゃないから。ちゃんと心構えしててよ、チンタラしてると置いていっちゃうから」

「めちゃくちゃスパルタ」

「言っておくけど、紗良は手強いと思うよ」

「はい、頑張ります！」



千崎くんは深く頷き、口の端を強く結んで、私の目の前で頑張ることを決意したようだ。


そして私も同様に決意する。

好きだという気持ちが顔に出ないよう、うっかりぼろを出さないよう、常に私は千崎くんの恋を優先するのだと。

千崎くんに幸せを掴んでもらうために、ずっと笑顔でいてくれるために。