どんな恋でも繋いでみせます!
「幸せになってね、世莉」
「ありがとう!じゃあ、これをお納め下さい」
世莉はスクールバッグから茶封筒を取り出し、丁寧に両手で私に差し出す。
私も両手で丁寧に受け取ると、茶封筒の中身を確認し頷く。
「確かに頂きました」
ドラマで観るような怪しい受け取り方をしたが、茶封筒の中身はただの購買券千円分だ。
恋のキューピットとして協力し無事に成功させると、みんな口を揃え「お礼をさせて欲しい!」と言ってくるので、最近になって学校で使える購買券千円分を成功報酬にした。
本音を言えば、幸せを分けて貰えただけで充分だった。
だけどそれでは彼女達の申し訳が立たないらしく、でもお金を貰うわけにはいかずこういう形をとることにした。教師にバレたら叱られそうな取り引きだ。
まぁでも、ジャンケンで負けたらジュースを奢る的な賭けと似ているからバレても言い逃れはできる。目はつけられるだろうけど。