どんな恋でも繋いでみせます!
第三章 恋のキューピット始動
ミッション1:宇宙人脱出
恋のお楽しみ会が設立された次の日、早速私は紗良に千崎くんの存在をアピールするため動き出した。
「ねぇ、紗良。男女共学の学校に通いだしてもう1年経ったけど、気になる男子とかできた?」
昼休憩中、パックの野菜ジュースを飲んでいる紗良にそれとなく聞いてみる。
まずは、気になる男子がいるかどうかを把握しないと。もし居たとしたら、恋のキューピットの立ち回り方も変わってくるから。
聞いた手前、そんな人はいないだろうと確信していた。案の定、紗良は野菜ジュースをストローで飲みながら、首を横に振って声も出さずに否定する。
「じゃあ、好きなタイプとかある?」
いない、と答えると踏んで、次の質問をあらかじめ用意周到に準備していた。
テンポよくすぐに違う質問を投げると、紗良はストローから唇を離し、疑わしき目で私を凝視する。
「なに急に……なんか企んでる?」
相変わらず勘が鋭い紗良の言葉に、心臓がドクンと強く脈打ち顔が強ばるが、なんとか平然を装う。