どんな恋でも繋いでみせます!
普通の女子なら、好きなタイプは?くらいの質問には照れながらもスラスラと饒舌に語るのに、幼なじみの紗良はそうはいかない。
紗良がずっと女子校に通っていて男子の話題が一切出ないこともそうだが、私自身も親が離婚してそういう恋の話を一切しなくなった。
口を開けば、家族の話、放送されたテレビの話、近所住人の話ばかりだった。
だから、突然気になる人は?好きなタイプは?と聞いて、紗良が何か企んでるのかと疑うのは想定内だ。
だけど、もう私たちは青春真っ只中の高校生なんだ。
恋バナの1つや2つしてもおかしくない。
「企んでないよ、むしろ私たち高校生なのにこういう話全くしないほうがおかしいじゃん?」
「したい人がすればいいんだよ」
「えー、でも紗良の好きなタイプ気になるじゃん。ねぇ、教えてよ」
「そんなのいない」
「じゃあ誰でもいいんだ、犯罪者でも?100歳のおじいちゃんでも?」
「バカなの?限度があるでしょ。それに誰でもいいっては言ってないじゃん」
よしよし、面倒くさげな顔はしているが、強引に話を終わらせる気はまだ無さそうだ。