どんな恋でも繋いでみせます!
私は机に置いた弁当箱を端に寄せて、前のめりで紗良の綺麗な顔を覗き込む。
「じゃあさ、このクラスの男子の中で誰が1番いいなぁって思う?」
かなり踏み込んだ質問をしたと思う。
紗良が答えず逃げる確率と、ちゃんと答えてくれる確率は半々。
ここで千崎くんの名前が出れば、事は楽に進むだろう。
自分で話を振っておきながら紗良が誰を選ぶか緊張しているのか、鼓動が鼓膜に直で響いている。
ゴクリ、と生唾を飲んで紗良の答えを待つ。
紗良は私の質問に答えようと、教室を一周見渡し男子全員を視界に入れる。
一瞬、千崎くんがいるグループで視線が止まった気がして、またドクンと心臓が鳴る。
"千崎くん"と答えてくれたら、千崎くんのお願いを叶えられる確率はグンと上がる。
それなのに、選びませんように、と願う自分もいた。
最悪だ。こんなんじゃ、恋のキューピットなんて名乗る資格ない。
もっと、自分の感情を殺さないと。
好きを抑えないと、という強い抑制圧が働き、無意識に下唇を強く噛んでいた。