どんな恋でも繋いでみせます!

私は楽しそうに口をパクパクさせている倫太郎くんを見ながら勝手にそう解釈していると、視線に気づいた倫太郎くんと目が合う。

目を細めて歯を全開にして笑う倫太郎くんが、なに?と言いたげな顔で首を傾げている。

それが紗良の愛犬によく似ていて、思わず笑ってしまった。



「なに笑ってんのよ、おしゃべりな人はダメなの?凛だっておしゃべりじゃん」



紗良はなにやら勘違いして、私が笑ったことに対して不服そうに顔を顰めている。



「私といる時の紗良は私よりもおしゃべりだよ?」

「当然でしょ、家族と同じくらい一緒にいるんだから」

「へへへっ、家族って照れるじゃん」



ヘラヘラ笑っているが、徐々に話が逸れていることに気づいて口角をキュッと結び直す。


いけないっ。
紗良のペースに呑まれたら、やっと恋バナの流れに乗れたのに、またいつもの世間話へと戻されてしまう。

この1週間で何かしら進展させないと、来週の恋のお楽しみ会で無様な結果を教えることになる。

もう少し、踏み込んでみよう……!
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