どんな恋でも繋いでみせます!
「あんなにかっこいい千崎くんの隣に並んで歩ける女子って、綺麗な人しか無理だよね。紗良みたいなさぁ」
本当に思っていることを何気なく口にすると、紗良の手がピタリと止まった。
「凛」
「ん?」
「それ、千崎にも私にも失礼だからね」
「……えっ」
「千崎も私も、好きな人と並んで歩きたいのに、周りが勝手に理想論押しつけて善し悪し判断するなんて失礼でしょ」
紗良に正論を突きつけられて、胸をグリグリと抉られているようだった。
確かに、それはそうだ。
私みたいな人たちが千崎くんに理想論を押しつけたせいで、千崎くんは周りの期待や嫉妬の目に苦しんだんだ。
ああ、やっぱり、紗良のこういう端的な考え方が千崎くんを救ったんだろうなぁ。
でも、紗良。
それでも、2人はお似合いだと、幼なじみの私でも思うんだよ。
容姿うんぬんじゃなくて、中身も素敵な2人だからこそ、千崎くんの隣に並んで歩けるのは紗良しかいない。
いや、紗良に並んで歩いて欲しいんだ。