どんな恋でも繋いでみせます!
「紗良の魅力は容姿だけじゃない。中身も最高なの。だから、千崎くんが紗良の中身を知って仲良くなりたいって思ってくれたのが本当に嬉しい」



たまらなく嬉しいのは本当のこと。

私が千崎くんに恋をしていることも気づかない疎い人だけど、紗良に惹かれた千崎くんの洞察力には100点満点のはなまるをあげたい。



「……すげぇな」



私の話を静かに聞いていた千崎くんが、感心するような目で噛み締めるように言葉をこぼす。

独り言のように舌から滑り落ちた、千崎くんのその言葉の意味がわからず首を傾げる。



「そんなふうに、真っ直ぐに人のこと褒めれる奴っているんだな。倫太郎もそうだけど、そういう人って相手の良い所見つけるのが上手いんだよな」

「それを言うなら千崎くんもじゃん」

「いや、俺は全然……」

「ただのクラスメイトの私のこと、さっそく褒めてくれてるじゃん」

「ただのクラスメイトってなんだよ、悲しいこと言うなよ」



そう言って、唇を尖らせ拗ねたような顔を向けてくる。


クラスメイト以外に私たちの関係に当てはまる名前なんてないはずだけど……。
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