どんな恋でも繋いでみせます!
だけど、千崎くんは腑に落ちない顔で腕を組んで唸り声を洩らしながら考えている。

変なところで拘っている千崎くんに、もう何も考えずに頷いてよ、と思ってしまう。



「だってさ、親友の倫太郎にさえ言ってないことを填本に言ってるんだよ?それって別の意味で心許してるって言わね?」

「……そう、かな」

「なんなら友達よりも上な気する。親友みたいな」

「ダメ!」



"親友"なんて言葉を千崎くんが軽はずみに発した瞬間、口を衝いて出た。

案の定、千崎くんが驚いて目を見開いている。



「ただ千崎くんの気になる女の子を知ってるだけだよ?親友は……ずるい、から」

「ずるい……?」



思わず出た言葉に、どうしようもなく私の心が動揺する。


ただのクラスメイトだと思っていないと、この片思いが終わらない気がした。

友達だと思ってしまったら、いつか私に気持ちが向いてくれるのではないかと期待してしまう気がした。

それなのに、親友なんてもったいない。恐れ多い。おこがましい。


そんなの……ずるいし、卑怯だ。

< 67 / 328 >

この作品をシェア

pagetop