どんな恋でも繋いでみせます!
「ほらもうこの話は終わり、話脱線しずきてるから」



手のひらを合わせて、パチン、と軽快な音を出し話を無理やりに終わらせる。

これ以上話を続けてたらボロが出る気がして怖くなった。



「とりあえず今週は掃除当番だから、千崎くんは頑張れる程度で話しかけてみてよ」



平然を装いながら、これからの動きにアドバイスしてみると、やっと笑って「おう」と返事をくれる。


忙しなく動いている心臓と、壁に掛けられた時計の秒針の音が全く噛み合わず、更に心が乱れるのを感じて無駄に髪の毛を触ったりして気を紛らわせた。


その日の恋のお楽しみ会は、あまりいい案は出せずに終わってしまった。

帰り際、千崎くんは「送るよ」と言ってくれたが、「誰かに見られて紗良が誤解したら嫌でしょ?」と、それっぽい理由で断った。

千崎くんは誰に対しても優しいのだと思う。

好きな人に対してだったらどれだけ優しくなるのだろう、とふと疑問に思ってすぐに打ち消した。

こうんなふうに思ってしまう度に、嘘をついた時みたいな罪悪感が押し寄せて申し訳なくなる。


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