どんな恋でも繋いでみせます!
私は手にしていたメモをまた引き出しの中にしまい、紗良に笑顔を向ける。
「おはよう、紗良」
「うん、おはよう」
私たちは家族ぐるみで仲がいいが、実は高校生で初めて同じ学校に通っている。
紗良は小学校から中学校までエスカレーター式の私立女子校に通っていたが、高校も同じエスカレーターで進級するのはつまらないという理由で高校は受験し、私と同じ学校に入学した。
「ほんとすごいよね、そんなに上手くいくようなもんなの?」
「恋を実らせるためなら私の頭はフル活用で働きます!」
「勉強でもフル活用させたら?」
「その努力が報われて1位になれるなら頑張るけど、報われない努力はほどほどに頑張るって決めてるの」
紗良は机に肘を立て頬杖をつきながら、大きな目を細めて私の顔を覗いてくる。
長くて綺麗な紗良の黒髪が、サラッと肩から落ちて机の上で緩やかなカーブを描いた。