どんな恋でも繋いでみせます!


千崎くんが勇気を出す放課後になり、ほうきを手にした千崎くんが紗良の様子を伺っていた。

話しかけるタイミングを見計らっているようだ。

気になっている相手にはとことんヘタレになる千崎くんに、思わず呆れたため息をこぼす。


もう、仕方ないなぁ……。



「そういえば、千崎くんさっきなんかの歌口ずさんでたよね?」



それとなく話題を振ってみる。

なのに千崎くんは「口ずさんでないけど?」みたいなキョトンとした顔で私を見ていて、思わず目で強く訴えながらもう少しわかりやすいように言い換える。



「な、なんかさ、聴いたことある曲だったんだよね。あっ、そう!思い出した!紗良が朝聴かせてくれた新曲じゃない?」



私の言葉に、俊敏にほうきを扱っていた紗良が手を止め瞬時に振り返る。



「あれ、千崎くんのこのストラップなんか見たことあるような……」

「あっ!それ私も持ってる!」



千崎くんのスクールバッグに付けていたストラップをこれみようがしに指さすと、紗良がほうきをその場に捨てて食いつく。

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