どんな恋でも繋いでみせます!
「千崎も好きなの?このアーティスト!」
「めっちゃ好き、もしかして柏木も?」
「大好き、このグッズって去年のツアーライブのグッズだよね?千崎は行ったの?」
「おう、ライブ会場で買ったやつ」
「えー、じゃあライブ行ったんだ、いいなぁ」
「柏木は行かなかったのか?」
「親がライブなんて危ないから駄目だって許可下りなくて……グッズは買い占めたけど」
紗良パパのクレジットカードで勝手にね、と心の中で付け加える。
勘が鋭い紗良に明らかに怪しまれるレベルの私の棒読みの演技は、自分の好きなものを同じように好きでいる人が身近にいたことが嬉しかったようで、気になりもしていない紗良を見て安堵する。
おかげで、紗良と千崎くんは今日配信された新曲の話をして掃除そっちのけで盛り上がっていた。
私はそっと2人から離れて、紗良が放り投げたほうきを拾いあげて最後の後片付けを黙々と済ませる。
話に花を咲かせている今の紗良には、帰って愛犬の散歩をするという使命も忘れていそうだった。
「めっちゃ好き、もしかして柏木も?」
「大好き、このグッズって去年のツアーライブのグッズだよね?千崎は行ったの?」
「おう、ライブ会場で買ったやつ」
「えー、じゃあライブ行ったんだ、いいなぁ」
「柏木は行かなかったのか?」
「親がライブなんて危ないから駄目だって許可下りなくて……グッズは買い占めたけど」
紗良パパのクレジットカードで勝手にね、と心の中で付け加える。
勘が鋭い紗良に明らかに怪しまれるレベルの私の棒読みの演技は、自分の好きなものを同じように好きでいる人が身近にいたことが嬉しかったようで、気になりもしていない紗良を見て安堵する。
おかげで、紗良と千崎くんは今日配信された新曲の話をして掃除そっちのけで盛り上がっていた。
私はそっと2人から離れて、紗良が放り投げたほうきを拾いあげて最後の後片付けを黙々と済ませる。
話に花を咲かせている今の紗良には、帰って愛犬の散歩をするという使命も忘れていそうだった。