どんな恋でも繋いでみせます!
その時、バタン!と勢いよく教室の扉を開ける音に驚いて肩が跳ねる。

開けた扉の前には、倫太郎くんが満面の笑みで笑って立っている。

……嫌な予感がする。



「瑠依!帰ろうぜ!」



案の定、2人の話を突然折るような大きな声を発し、倫太郎くんと同じクラスになって初めて倫太郎くんの元気さを呪いたくなった。


せっかく、やっと、いい感じに話していた千崎くんと紗良のことなんてお構い無しに、倫太郎くんはズカズカと熊のように千崎くんに近寄る。

そしてまた、



「帰ろうぜ!今日俺打ちたい気分!バッティングセンター行こうぜ!」



こういう子いたなぁ、って既視感を感じた。

「ランドセル置いたら公園でサッカーしようぜ!」って毎日サッカーしてる元気ありすぎる男の子。

倫太郎くんは、元気が有り余ってる少年のような心を高校生になっても変わらず持っていて、「空気を読め!」とはなんだか怒れなかった。

< 83 / 328 >

この作品をシェア

pagetop