どんな恋でも繋いでみせます!
ミッション3:恋の確信
千崎くんと、紗良。
その2人の共通の話題を見つけてから、今日と同じ1日は二度とないのだと、そんなことを思う1日を過ごしていた。
『昼ご飯一緒に食べるのはどう?』
と、提案したあの日から1週間が経った。
壊れたように動かなかった時計の針が、突然1秒1秒確かに刻むようになった。
上手くいかなかった日はとことん空回っていたのに、一度上手くいけば途端に全部がいい方へ進んでいく。
最初が肝心で勢いに乗ればあとは進むだけだ、ってこの前テレビでスポーツ選手がそう取材に答えていたことを思い出した。
そのとおりだと私も今深く思う。
恋のキューピットとして千崎くんの願いを叶えるべく、私は一緒に昼ご飯を食べようと誘った。
私と紗良、千崎くんと倫太郎くんの4人。
教室で突然机をくっつけて食べるのは明らかにクラスメイトに不審がられるので、教室以外がいいよねって話になり、生徒があまり来そうにない場所をいくつか候補を出した。
だけど、いざ昼休憩になり候補の場所に行ってみると、他の生徒が思った以上にいた。
どこで食べようか、と場所が決まらない現状に、多分私と千崎くんだけ"あの場所なら"と頭に浮かんでいたと思う。
千崎くんの口から出る前に、先にその名前を出したのは
私のほうだった。
───旧図書室。
毎週月曜、千崎くんと2人っきりで会う恋のお楽しみ会の場所。
私から先に言ったのは、千崎くんの口から聞くのが嫌だったから。
旧図書室が放置状態で鍵もかけられていないことも、日当たりがよく暖かい場所だということも、校舎の隅にあるので静かだということも、全部私と千崎くんだけ知っていたかった。
私たちだけの場所であって欲しかった。
だから、口を衝いて出たんだ。
そう思っているのが、私だけだと思いたくなかったから。