どんな恋でも繋いでみせます!
「私は心配だよ」
「……心配?」
「失敗したら、凛が責められるかもしれないでしょ」
失敗は、恋の玉砕を意味する。
そして恋のキューピットが役立たずだったという証明にもなってしまう。
今はまだ奇跡的に上手くいっているだけで、今後失恋してしまう恋を目の当たりにするかもしれない。
そうなったら、責められる覚悟はできている。
「失敗したら、恋のキューピットはやめるって決めてるから」
「ねぇ、凛。なんでそんなに恋のキューピットやりたいの?人の恋路の手伝いなんて面倒臭いし、自分にとってなんの得にもならないじゃん?」
私は人差し指を紗良の綺麗な顔面に向かって突き出すと、左右を行き来する時計の振り子のように、ッチッチッチと声を出し「わかってないなぁ」と私より遥かに頭のいい紗良を馬鹿にする。
「得だけで動く人生なんてつまらないじゃん、私はもっとハラハラドキドキしたいの!ギャンブルかつスリリングな人生のほうが楽しいでしょ!」
「ギャンブラーはいずれ痛い目見るんだからね」
紗良は呆れた顔で「ほどほどにね」と注意喚起してから、そろそろ朝のホームルームが始まるのでクルリと身体を半転させ前を向いた。