どんな恋でも繋いでみせます!
思わず弁当に視線を落とし千崎くんの眼から逃げる。
なんでもできていたら、取って付けたような平凡の私ができあがるはずがない。
そう口にしようとしてギリギリで留まる。
せっかく褒めてくれたのに、否定したら千崎くんにも悪い気がして、更に空気まで悪くさせてしまう気もして、上手く言葉を返せずに黙りこくってしまう。
そうこうしているうちに、千崎くんが「あっ!」と思い出したように声を上げ、私への感心が一気に引いていくのがわかった。
「そうだ、この前柏木が貸してって言ってたライブDVD持ってきたんだった」
「え!うわぁ、ありがとう!」
ガサゴソ、と千崎くんがカバンを漁りだし、単行本サイズのライブDVDを紗良に手渡す。
貸し借りする約束をしていたのだろう。
目の前で行われる小さな約束事も少しずつ進展している証拠だった。
以前ちゃんと目を見て話したほうがいい、と千崎くんに指摘したことがあったけど、もうその必要もないくらい互いにちゃんと目を合わせて笑い合っていた。
疎外感のようなものを感じる。1人取り残されていってる感じ。
そう感じるのは久しぶりだった。
親が離婚した直後の家の中みたいな。
家具や電化製品は、何一つ変わっていないし、何一つ減っていないのに、やけに広く感じて寂しくなったあの時の感情がなぜか今蘇ってきた。
なんでもできていたら、取って付けたような平凡の私ができあがるはずがない。
そう口にしようとしてギリギリで留まる。
せっかく褒めてくれたのに、否定したら千崎くんにも悪い気がして、更に空気まで悪くさせてしまう気もして、上手く言葉を返せずに黙りこくってしまう。
そうこうしているうちに、千崎くんが「あっ!」と思い出したように声を上げ、私への感心が一気に引いていくのがわかった。
「そうだ、この前柏木が貸してって言ってたライブDVD持ってきたんだった」
「え!うわぁ、ありがとう!」
ガサゴソ、と千崎くんがカバンを漁りだし、単行本サイズのライブDVDを紗良に手渡す。
貸し借りする約束をしていたのだろう。
目の前で行われる小さな約束事も少しずつ進展している証拠だった。
以前ちゃんと目を見て話したほうがいい、と千崎くんに指摘したことがあったけど、もうその必要もないくらい互いにちゃんと目を合わせて笑い合っていた。
疎外感のようなものを感じる。1人取り残されていってる感じ。
そう感じるのは久しぶりだった。
親が離婚した直後の家の中みたいな。
家具や電化製品は、何一つ変わっていないし、何一つ減っていないのに、やけに広く感じて寂しくなったあの時の感情がなぜか今蘇ってきた。