どんな恋でも繋いでみせます!
「なんでだろうね……」
お母さんが作るようになった朝食は砂糖多めの甘い卵焼きで、私が料理を覚えお母さんに代わって朝食を作るようになってからもお母さんの真似をして砂糖多めの卵焼きを作った。
まるで、親子共々無意識のうちに避けているみたいに。
家の物は何一つ無くなってはいないけど、唯一消えてしまったのはお父さんの存在で、もう二度とあの時には戻れない現実が私1人取り残されているような寂しさを感じさせていたんだ。
「今度、だし巻き玉子作ってみようかな」
いつまでも寂しさを感じてても仕方がない。
胸に残り続けても時間は平等に進んでいくのだから、ゆっくりと流れる時間に身を任せてたらいつまでも寂しいままだ。私も前に進まないと。
千崎くんを好きだという恋心も早く捨てないと。
膨れ上がる前に。早く。