どんな恋でも繋いでみせます!

「作ったら食べてくれる?」

「はーい!俺食べる!」

「私が1番最初ね、幼なじみだから」

「幼なじみ使うの卑怯だー」

「当たり前でしょ、加瀬には卵焼きの端っこでいいからね」

「サララン俺だけに厳しいんだけど!」



またいつもみたいに紗良と倫太郎くんが揉め始めるから、私は「うるさいー」って耳を押さえながら注意する。

ここでいつもなら倫太郎くんを千崎くんが押さえつけてくれるのだけど、今日は放し飼いされていた。

変だな、と右斜めに座る千崎くんに目を向ければ、バッチリと目が合う。

何か言いたげな顔でジーッと観察するように私の顔をまじまじと見ていて、速く鳴り始める心臓を紛らわそうと膝の上に置いた手を祈るように絡めて強く握りしめる。


収まれ。収まれ。


必死に平然を装い、何かあるのかと首を傾げた。

だけど、千崎くんはフルフルと首を左右に振って、力を抜くようにフッと笑った。

何かあるのかと思ったけど、特に何もないようだ。

じゃあなんで私今笑われたんだろう。

千崎くんの謎な笑みにさえもドキマギしてしまって、おかげでこっちは平然を取り繕うのに必死だ。

私は千崎くんから目を逸らすと、残りのおかずを一気に口に入れて平らげた。


今日は月曜日。

週の始まりで、ほとんどの人は会社だ学校だと憂鬱になる日だけど、私は違った。

放課後になるまでは確かに憂鬱ではあるが、千崎くんと話せることはやっぱり嬉しいのだ。

それが、主に千崎くんの恋を応援するための作戦会議だとしても。

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