どんな恋でも繋いでみせます!

「なぁ、リンリン」



昼ご飯を食べ終わった後、教室に戻るため廊下を歩いている最中に、倫太郎くんがなぜか密やかな声で私を呼んだ。

少し先を歩く紗良と千崎くんの背中から視線を横にずらし、返事をする代わりに倫太郎くんと目を合わせた。



「月曜の放課後、もしかして瑠衣と2人で会ってる?」



───ドクン。


千崎くんの行動に一喜一憂してドキドキする胸の鳴り方とはまた違う、息苦しい嫌な鳴り方をする。


なんで、知ってるんだろう。

千崎くんは恋のお楽しみ会と命名する前に自分で"密会"と言っていた。秘密の会議。だから、千崎くんが倫太郎くんに話したとは考えにくい。

もちろん、私も誰にも話していない。

じゃあまさか、勘づいただけ?あの、陽気でちゃらんぽらんな倫太郎くんが?

失礼だけど、そんな勘が鋭い子には見えない。
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