「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「ただ言ってみただけだ。武力行使というのも、相当荒っぽくなるだろう」
「でっ、結局はいまはどうしようもない、ということね」
「そういうこと。エドとフェリペ待ちだな。向こうがどうアクションを起こそうと、どんな連中か見てみたいな」
「ああ、そうよね。王子たちは、あなたとは腹違いの兄弟ですものね」
「おいおい、『まだ見ぬお兄様方』とでも言わせたいのか? 冗談じゃない」

 クストディオは、美貌に苦笑を浮かべた。

 それはそうよね。ピンとくるわけがない。
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