「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 彼が同意し、おもわず二人して笑ってしまった。

「そうね。ここにはいろいろな書物が埃をかぶっている。気分を落ち着ける為にも読書でもするわ」
「おれもそうしよう。バラデス王国の歴史書や軍事書もあるみたいだから」

 というわけで、唐突すぎるけれど読書を始めた。

 他に集中出来ることといえば、読書しか思い浮かばなかったのである。

 結局、エドムンドとフェリペは暗くなってから戻って来た。

 報告を携えて。
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