「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 ダニエルがブランカと公然と浮気をしていることは、わたしを毛嫌いする人々にとっては二重に笑えることだったに違いない。

 ダニエルの愚かさとわたしへの「ざまぁみろ」という感じで。

 自分では、努力はしてきたつもりである。

 ダニエルに対しては、なんの想いも期待も信頼もない。ただ、お父様とお母様とお兄様の期待に応えたい。セプルベタ侯爵家の令嬢として、恥ずかしくないだけの振る舞いをしたい。その気持ちだけだった。

< 11 / 426 >

この作品をシェア

pagetop