「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~

カヨと二人きり 2

 しかし、いかんせんカヨとおれは素直ではない。想いとは正反対のことを言ったりしたりしてしまう。

 それは、おそらくカヨも同じのはず。そのはず、だよな? たぶん、そのはず。きっとそのはず。そのはずであって欲しい。

 とにかく、つねにおたがい物理的にも精神的にも距離が近ければ、いつしか情がわく。情がわいたらこっちのもの。

 情がわいたらって、彼女の情に訴えるような状況ではあるが、おたがいにわかりあえさえすればどうにかなるはずだ。

 いずれにせよ、部屋は別々だ。いまは、彼女のおれに対する誤解を解き、あらためて信頼を得よう。

 彼女とは別に、エドムンドとフェリペとの関係のこともある。
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