「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「ふーん。まあ、どうでもいいけど。まあ、おれにはその真偽のほどはわからないからね。それよりも、せっかくのパスタだ。きみのほら話で台無しになる前にいただこうじではないか」

 クストディオ、だったら最初からいらないことを言わないで欲しかったわ。

「クスト、あなたってほんっとにイヤな人ね。嘘やほら話ではないわ。なんなら、いまから作ってあげるわ。もちろん、卵が残っていたらだけど」
「はいはい、またいつかな。では、手を合わせて」

 彼は、すでにわたしのことはどうでもいいみたい。

 さっさと手を合わせて「いただきます」をした。

 今日は一日、この隠れ家でのんべんだらりとすごしていた。体を動かしていないにも関わらず、お腹が減っている。

 当然、わたしもすぐに「いただきます」をし、エドムンドとフェリペが作ってくれたカルボナーラとサラダとパンをいただいた。
< 123 / 426 >

この作品をシェア

pagetop