「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「チェッ! 自意識過剰で悪かったな。それで、エドムンド。宰相は、おれに会うって?」

 案の定、彼はわたしの揶揄いにのってきた。

「ええ。『とりあえず、会ってやってもいい』とのことです」
「きいたか、カヨ? 宰相もどこの国も同じで高慢ちきなようだ」
「ええ、そうね。だからこそ、宰相になれるのかもしれないわ」
「なるほど。そういう考え方があるのか」

 クストディオは、わたしの冗談に過剰なまでに反応している。
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