「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「どうだい? きみ、飲めるよな?」
「ええ、いいわよ。ちょうど喉が渇いていたところだし。いただくわ」
「よかった。じゃあ、そうだな。居間で飲む?」
「一階に行くのは面倒だわ。そうね。テラスはどう? 彼らの部屋に声が届いてうるさいかしら?」
彼らというのは、エドムンドとフェリペである。
「いや、大声でケンカをするとか派手に殴り合いをしないかぎりは大丈夫だろう」
彼はそう断言するけれど、葡萄酒を飲んだら大声でケンカをしたり派手に殴り合いをしないともかぎらない。酔ってではなく、酔ったふりでしてしまいそう。
とりあえず、主寝室のテラスにも真鍮製の丸テーブルと椅子が二脚置いてあるのでそちらで飲み始めた。
クストディオは、準備万端にしていた。
丸テーブル上に葡萄酒とグラスを置くと、主寝室に戻ってからお皿に盛ったチーズを持って来たのである。
「ええ、いいわよ。ちょうど喉が渇いていたところだし。いただくわ」
「よかった。じゃあ、そうだな。居間で飲む?」
「一階に行くのは面倒だわ。そうね。テラスはどう? 彼らの部屋に声が届いてうるさいかしら?」
彼らというのは、エドムンドとフェリペである。
「いや、大声でケンカをするとか派手に殴り合いをしないかぎりは大丈夫だろう」
彼はそう断言するけれど、葡萄酒を飲んだら大声でケンカをしたり派手に殴り合いをしないともかぎらない。酔ってではなく、酔ったふりでしてしまいそう。
とりあえず、主寝室のテラスにも真鍮製の丸テーブルと椅子が二脚置いてあるのでそちらで飲み始めた。
クストディオは、準備万端にしていた。
丸テーブル上に葡萄酒とグラスを置くと、主寝室に戻ってからお皿に盛ったチーズを持って来たのである。