「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
葡萄酒のことで
男性って子どもみたいなところがある。そういうところは、レディが目をつむるとかフォローしてあげるとかしなければならない。
いまのわたしもそう。
彼の傲慢な態度に目をつむり、彼を立ててあげるの。
「ええ、もちろん。あなたの言う通りにするわ」
室内から持って来たキャンドルの淡い光の中、どうかわたしの笑顔がひきつっていませんようにと祈りながらそう答えた。
「ありがとう。では、乾杯しよう」
(単純なお子様なのね)
うれしそうな彼の表情を見ながら、内心で苦笑してしまった。
いまのわたしもそう。
彼の傲慢な態度に目をつむり、彼を立ててあげるの。
「ええ、もちろん。あなたの言う通りにするわ」
室内から持って来たキャンドルの淡い光の中、どうかわたしの笑顔がひきつっていませんようにと祈りながらそう答えた。
「ありがとう。では、乾杯しよう」
(単純なお子様なのね)
うれしそうな彼の表情を見ながら、内心で苦笑してしまった。