「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 皇都にいたときも、手紙にはかならず「なにかしでかしていないか」とか、「周囲を困らせていないか」とか、もろもろ記している。

 妹命だから、いつまで経ってもレディが嫁いで来てくれない。

 本来なら、とっくの昔に素敵なレディをむかえていてもいいはずなのに。

 まぁ、本人がむかえるつもりがないというのが、その最大の理由かもしれないけれど。

 それはともかく、お兄様はダニエルとの婚約をずっと反対していた。だから、彼に婚約破棄をされたと知っておおおろこびした。もつもと、その理不尽きわまりない理由を知り、おおいに怒ったけれど。

 いま、お兄様はわたしたちといっしょに来ると言っている。

 どうやら、先のまったく見えないわからない状況に、わたしを関わらせたくないらしい。

< 15 / 426 >

この作品をシェア

pagetop