「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「眠っている彼女を叩き起こせるほど、おれたちは親密なんだ」、と暗に伝えたかったのだ。

 実際、そんなことをしようものなら、おれはあらゆる意味で終わったも同然なのに。

 エドムンドとフェリペの視線と圧を背中に感じつつ、ぎくしゃくと廊下を歩き続けた。
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