「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「このあと王宮でパーティーがあるので、正装しているというわけだよ」

(なるほどね。正装は、なにもわたしたちに会うからというわけではないのね)

 宰相が合図を送ると、強面紳士たちがクストディオとわたしの椅子をひき、座らせてくれた。そして、自分たちはすこし離れたスペースに行くと、そこに並び立った。

 エドムンドとフェリペもまた、強面紳士たちとは反対のスペースに移動して並び立つ。

 そのタイミングで、男性の店員が注文をききにきた。

 クストディオもわたしも、お店のお勧めのお茶にした。

 スイーツも、と言いそうになった。でも、それはグググッと我慢した。
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