「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「なんだと? ローズティーなのだろう。バラ園のを使うのではないのか?」

 宰相は、間違いを指摘されたのが気に入らなかったらしい。

 渋い美貌の眉間に皺をよせ、気色ばんでいる。

(気の毒に……)

 店員は、バラのことをなにも知らない客に対して困惑している。
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