「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 というわけで、昨夜飲んだ葡萄酒の残りを居間で飲むことにした。

 フェリペが手に入れてくれた例の葡萄酒である。

「もうパーティーは終わったかしらね?」

 エドムンドがクラッカーとチーズを何種類か準備してくれた。クリームチーズのカナッペを堪能してから、独り言のように尋ねた。

「パーティーですか? もう終わっているでしょうね」

 エドムンドがすかさず答えてくれた。
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