「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
【クストディオ・トルタハーダ視点】

宰相と対決す

 宰相イグナシオ・オルティスとの密会場所は、王立公園内のバラ園にあるカフェにしたらしい。

 公共の場、しかも一般人のいる中での密会である。

 そこだとたとえ宰相がおれたちを、というよりかおれになにかしようとしていても、衆人環視の中では実行に移しにくいだろう。

 エドムンドとフェリペは完璧だ。

 カヨへの想いはともかく、そういう点では彼らを認めざるを得ない。

 そして、味方であってよかったとも痛感せざるを得ない。

 隠れ家を出発する前、エドムンドがカヨにナイフを手渡しているのに気がついた。

 万が一にも、身に危険が迫ったときに自分の身を守る為のナイフらしい。つまり、護身用のナイフだ。
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