「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
(男ってやつは、どうしようもないな)

 内心、苦笑してしまった。

 いや。いまおれが問題にしているのは、おれたちのバカなところではない。

 カヨにナイフを使わせようということだ。

 たとえ何が起ころうと、彼女に武器を、というよりか暴力をふるわせるのはいただけない。

 まぁたしかに、彼女はすぐに殴ってきたり平手打ちを食らわせてきたり、枕でぶっ叩いてきたりする。

 正直なところ、彼女はそこらの紳士より暴力的だ。
< 210 / 426 >

この作品をシェア

pagetop