「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 第一王子の好みなど知るわけがない。エドムンドの話からすると、彼はレディをひっかけてモノにすることを最終目標にしているようにうかがえる。それならば、許される年齢の範囲でであればレディの容姿や身分は関係はないのかもしれない。

 つまり、子ども以外はだれでもオーケー、というわけだ。

 それならば、カヨだって彼の対象になり得る。

 カヨは、けっして美女ではない。なんというか、癖のある美しさというのか、見方によったら美しく見えなくもないといったところか。

 そう。人間(ひと)は、外見ではない。

 彼女は、おれにそれを教えてくれた。
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