「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 そういえば、クストディオはなにかのときに皇族の護衛騎士たちと口論になり、書物に出てくるような剣の勝負をしたのわね。

 まあ、アルファーロ帝国の軍や騎士たちは、あくまでも形式だけでめちゃくちゃ弱い。

 なんと、彼は五人の騎士たちと勝負して全勝した。しかも「チョチョイのチョイ」という感じで、あっという間に五人を打ちのめしてしまった。

 それを見たとき、彼のことをすごいなと思った。尊敬もした。

 数年経ったいまでも、あのときの爽快感と、彼のことが誇らしかったことを思い返すことが出来る。

「三人とも、おはようっ!」

 急にうれしくなった。

 気がついたら、手すりから身を乗りだしておもいっきり手を振っていた。
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