「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~

そそられない

「ああ、なるほど」
「そうかもしれませんね」
「納得です」

 美貌の青年の極論、というか「人としてどうなの?」って問いたくなる説に、クストディオとエドムンドとフェリペが「目から鱗が落ちた」的に納得した。

「ちょっとあなたたち。いまのに納得する? ただの暴言じゃない。誹謗中傷もいいところだわ。クスト、おろしてよ」

 そうお願いすると、クストディオはすぐにおろしてくれた。

 つい先程まで、あれほど下ろすことを拒否していたのに。

 あの美しいだけが取り柄の男の暴言を信じているに違いない。
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