「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 バストアップや形のいいヒップにする運動とかマッサージとか、ご令嬢たちやメイドたちが言っていたけれど、ことごとく無視してきた。

 その結果がいまのわたしである。

 こればかりは、いまさらどうしようもない。

 諦めるとともに、急に冷めた。怒りが、である。

「そうね。貧弱な胸とドテッとしたお尻だけじゃないわ。幼児体型だから、お腹がボーンと出ているの。それがなにか? わたしは、男性にそそられるつもりはない。そそられるより、怖れられたり嫌われたりする方が好みなの」

「それがなにか?」的に、貧弱な胸を張った。
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