「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 伯父貴って宰相のことよね。

 その宰相にやり込められたですって?

 どこをどう捉えたら、あれがやり込められたになるのかしら。 

「きいたか、カヨ? あれがやり込められたというのなら、宰相閣下はずいぶんとユニークな解釈の仕方をするらしい」
「ええ、そうね。あるいは、ずいぶんと事実を捻じ曲げるのがお好きなのか、よね」

 そう答えながら、うしろへ下がってクストディオと肩を並べた。

 いまはわたしに対する暴言のことはどうでもいい。

 話は、すでに本題に入っている。
< 251 / 426 >

この作品をシェア

pagetop