「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「第一王子は? おとなしくしているの?」

 沈黙が痛すぎる。

 エドムンドの表情は厳しいままで、厨房内の空気が重すぎる。

 だから、空気をかえようと尋ねてみた。

「まるでここの主人かのように悠然と構えています」
「でしょうね」

 どうせ長椅子に座ってふんぞり返っているのでしょう。

 エドムンドの答えから、その光景が容易に想像出来る。
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