「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「それにしても、さすがね。もう今夜彼を発見し、連れて来るなんて」
「残念ながら、おれたちの腕ではありません。第一王子がおれたちに見つかりやすいところで待っていたのです。先程、宰相の護衛を飼っていると言っていたでしょう? その護衛からおれたちのことをきき、おれたちが接触してくると予想したに違いありません。接触してくるなら、彼自身が王宮を抜けだして街に繰り出しているときだろう、とも」
「驚いたわ。あんなふうなのに、そこそこキレるのね。ということは、彼自身もわたしたちに接触したかった、ということよね? わたしたちとの接触が嫌だとか怖れているというのなら、王宮に閉じこもって一歩も出ないはずだから」
「おっしゃる通りかと」
「味方にしたいのね。あるいは、ヘルマン同様わたしたちを宰相にけしかけ潰し合いをさせ、自分は高みの見物をしていいところだけをかっさらうつもりか」
「残念ながら、おれたちの腕ではありません。第一王子がおれたちに見つかりやすいところで待っていたのです。先程、宰相の護衛を飼っていると言っていたでしょう? その護衛からおれたちのことをきき、おれたちが接触してくると予想したに違いありません。接触してくるなら、彼自身が王宮を抜けだして街に繰り出しているときだろう、とも」
「驚いたわ。あんなふうなのに、そこそこキレるのね。ということは、彼自身もわたしたちに接触したかった、ということよね? わたしたちとの接触が嫌だとか怖れているというのなら、王宮に閉じこもって一歩も出ないはずだから」
「おっしゃる通りかと」
「味方にしたいのね。あるいは、ヘルマン同様わたしたちを宰相にけしかけ潰し合いをさせ、自分は高みの見物をしていいところだけをかっさらうつもりか」