「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 すぐうしろに立っているエドムンドとフェリペも、驚きのあまり息を飲んでいるのを感じる。

 隣のクストディオもまた、まだここまでの話はきいていなかったらしい。

 動揺が伝わってくる。

「暗殺された国王が父親ではなかったら、ほんとうの父親はだれなの?」
「だれだと思う?」

 アルマンドは、美貌にニンマリと笑みを浮かべた。

 この期に及んで意地悪をするわけ? しかも、最高の焦らしっぷりよ。

 イライラは、頂点に達しつつある。
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