「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「それで? あなたたちの立ち位置はわかった。これからどうするの? わたしたちが共闘するとして、宰相にどう立ち向かえばいい? あなたやヘルマンには、すでに作戦があるのよね?」
「ハハハッ」

 まわりくどいことはごめんだから、ズバリ尋ねてみた。

 すると、アルマンドは大笑いし始めた。

「そそられない、などと言って悪かった。カヨ、おまえのそういう利口なところは嫌いじゃない」

 アルマンドは、笑い声とともに言った。

 それは、けっして褒め言葉ではないけれど、それほど悪い気はしなかった。 

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