「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 クストディオのお母様は、亡くなった国王の側妃だった。アルファーロ帝国の皇女であった彼女は、いわゆる人質だった。その為、正妃を始め他の側妃たちから壮絶なまでの虐めを受けていた。

「じつは、まだ幼かったおれやヘルマン、赤ん坊だったクレメンテは、彼女にずいぶんと可愛がってもらったんだ」

 アルマンドは、いままでにない表情でそう語った。
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