「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 アルマンドは、エドムンドが送って行った。

 泊まりたそうにしていたけれど、さすがに王宮を抜けだしていることがバレてしまう可能性がある。

 エントランスまで見送った。

 その際、「おまえは遊ぶレディとしては興味はないけれど、そうではないレディとしては興味津々だ。だから、これからよろしく」、と謎めいた言葉を残していった。

 あいかわらず口が悪いしデリカシーの欠片もないけれど、最初の頃よりかは印象はマシになっているかもしれない。

 アルマンドのことを全面的に信じる? それとも、疑ってかかる?

 たしかに疑わしい。ヘルマンも含め、彼らは怪しげだし油断ならない。

 だけど、レディとして、いいえ、わたし自身の直感は信じてはダメだといっている。

 もちろん、その直感は外れるかもしれない。しかし、いったん協力し合うと約束したかぎりは、信じるしかない。
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