「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 これで裏切られたのなら、わたしにもクストディオにも運がなかったのだし、それなりの力しかないということ。

 だから、いまはアルマンドもヘルマンも信じよう。

 その夜、がんばって起きていたときにはクストディオは部屋に戻ってこなかった。

 主寝室に彼の気配を感じなかった。

 結局眠ってしまっていたけれど、眠る直前まで彼のことを気にしていた。

 そうして翌朝、クストディオとフェリペに叩き起こされた。
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