「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 昨夜、あれだけクストディオのことが気になっていたのに、いったん眠りにつくと少々のことでは目が覚めないほど熟睡してしまった。

 だけど、廊下側の扉をフェリペが、主寝室側の扉をクストディオが、それぞれ「ドンドン」「バンバン」叩かれるとさすがに目が覚めてしまう。これだけうるさかったら、お話に出てくる『眠りの王女様』だって目が覚めるはず。当然、わたしも目が覚めてしまった。

 あいかわらず、目覚めはスッキリしている。

 それにしても、廊下側と主寝室側とどちらの扉も叩かれるだなんていったい何事なのかしら。
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